Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]



『――抵抗しろよ』



両手で頬を挟み込み、すこし乱れた息づかいのまま挑発的に睨む。



『…何されるがままになってんだよ』



また薄い布越しに強引に口づける。



『…マジで感染(うつ)んだろ』



乱暴に啄む。



『マジで……沖縄行けなくなるぞ』



触れたかどうか分からないほど軽く口づける。



『…殴れよ』



優しい瞳をして薄い布の湿った部分に親指を這わす。



『…調子狂うだろ。

いつもみたいに歯向かって来ないと。

…殴れよ、いつもみたいに俺を』



ほんの少し残っていた理性が働き小さく拳を握る。



でも情熱的なキスから逃れられない。



逃れたくない。



2人の邪魔をする隔たりなんて要らないとさえ思っている。





どうして…?





あたしは西崎さんが好きなのに――…







ふいに、熱い涙が瞳からこぼれ落ちた。







< 136 / 208 >

この作品をシェア

pagetop