Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]



「これ、何て言うカクテルなんですか?」



「スプモーニ」



「スプモーニ?」



「ベースとなるカンパリにグレープフルーツジュースとトニックウォーターを割ってる。イタリア語で“泡を立てる”って意味なんだ」



「へぇ…」



あたしは一口飲んでみた。



「甘い…甘くて爽やか」



「気に入った?」



「はい!」



「素直でいいコだね? しかも可愛い。そんなに可愛かったらオジサン気をよくしていっぱい飲ませちゃうよ?」



「へっ…」



「ヤメて下さい、佐渡さん。村瀬に手出さないで下さいよ」



――村瀬に手出さないで下さいよ。



西崎さんの言葉にドキッとする。



キャーキャーキャー西崎さんにそんなこと言ってもらえるなんて(*/ω\*)



「手は出さないよ。さすがに20代前半のコとはねぇ…犯罪だし」



は、犯罪になるほど佐渡さんって年齢がいってるの??



信じられなくてまじまじ見つめていたら佐渡さんにウィンクされ、それがやたらと大人の色気を含んでいて瞬殺でノックアウトされる。



あ…あたしもう…酔っちゃったのかな///



「佐渡さん!」



真っ赤になった頬を両手で覆うと西崎さんが声を荒げた。



「まぁまぁ、決めるのは本人だからね」



「もういいんで仕事に戻ってもらえますか(怒)」



「はいはい。じゃまたね。村瀬さん。西崎に飽きたらいつでもオレんとこにおいで」



――ベッドの上では犯罪になるような愛し方はオレはしないからね。



去り際にあたしの耳元に顔を寄せて佐渡さんが甘くささやいた。



あたしはさらに真っ赤になっちゃって、そんなあたしを見てさらに西崎さんは佐渡さんに対して怒りをあらわにしていた。





――きっと佐渡さんは女性慣れしているんだろうな。



当然だよね、あの容姿でバーテンダーっていう職業、モテないわけがない。





< 141 / 208 >

この作品をシェア

pagetop