Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]



「こんな大胆な恰好して西崎さんに会いに行ってたんだ?」



胸元が大胆に開いたトップス。



膝上20センチほどのミニスカート。



「…で? ホテルの展望レストランで飯食ってラウンジで酒飲んでそのままお泊りってコースじゃなかったのかよ」



「へっ…な…何でそれっ」



「おまえの妄想丸聞こえなんだよ」



高熱を出してぶっ倒れた夜、ずっと看病してくれていた村瀬の姿がなくて探していたら玄関の外から声が聞こえてきた。



西崎さんと食事に行く約束を交わして妄想ワールドに突入した村瀬が面白くて、なかなか出るに出れなかった。



そんなとき川本がタイミングよく帰ってきたんだよな。





「…で? 抱かれてきたのかよ?」



「!」



「全身くまなく西崎さんの指と唇と舌でていねいに愛撫されてきたのかよ」



「…っ…何で…」



「西崎さんの背中にしがみついて耳元で何度も『好きだ』って囁かれて悦びに悶えて溺れて――」



「ばかっ! 何でそんなこと言うのっ!」



村瀬の瞳にみるみるうちに涙が盛り上がってくる。



「あ…あたしと…西崎さんは……西崎さんは」



顔を覆い隠し、鳴咽をもらす。



「…あたし…自分でもわかんなくて……西崎さんに…抱きしめられたのに……怖くて…突き飛ばしちゃって……それで…それで…」



「…それで俺んとこ来たのか?」



村瀬は顔を覆い隠したままちいさく頷く。



「…でも…福嶋くん…あのまま帰って来ないんじゃないかって…不安で…」



…?



「あのままって?」



「女の子と一緒にいるの、たまたま見ちゃって…」



「…女?」



「…車の中で…楽しそうに話してた」



車の中で…? 楽しそうに…?





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