Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]
ジタバタと暴れる村瀬を何とかなだめながら3階の303号室の前までやってきた。
村瀬に鍵を開けさせて中に入り、玄関の上がり口に村瀬を座らせた。
「じゃあな。ちゃんと消毒して寝ろよ」
ぽんと頭をひと撫でし玄関を出て行こうとすると、
「ま、待って」
村瀬が呼び止めた。
「何?」
「あ…あの」
また何か言いたげにもじもじしだす村瀬。
「何だよさっきから…。トイレ我慢してんならさっさと行ってこいよ」
「違っ…トイレじゃないもんっ(〃д〃)」
「じゃー何なんだよ?」
煮え切らない奴だな。
「だっ…だから…」
「だから?」
「そのっ…せっ…せっかくだから…お……お茶でもっ…飲んで…く?」
「…は?」
まさかさっきからそれ言いたさにもじもじしていたのかよ?
玄関先で立ち尽くす俺を、顔を真っ赤にしながら上目遣いで見つめる村瀬。
…マジでやめろよな、そーゆー目で男を見るの。
いくら気がなくてもそーゆー目で見つめられたら誰だってソノ気になるし。
西崎さんがたまらず抱きしめたって理由も分かる気がするし。
こいつマジで男の事情っつーもんが分からないんだろうな。