Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]
『今日ウチに帰るのが怖い』という村瀬。
『他に行く宛がないのか?』とたずねると、実家は高速を使わなかったら車で1時間以上かかるし、この近くに住んでいる親友は新婚でおまけに身重だから心配をかけたくないと言う。
困り果てていた村瀬はそれでも気丈に振る舞って『きっと大丈夫』と言い聞かせ、頑張ってウチに帰ると言い出した。
危険が待ち受けているかも知れないのに帰せるはずがない。
だけど…
『じゃあ……昨日泊めてもらったところは?』
村瀬の口から直接福嶋の部屋に泊まったとは聞いていない俺はつい意地悪を言ってしまった。
村瀬はおそらく昨夜の俺と福嶋のやり取りを知らないだろう。
俺が、村瀬が福嶋の部屋に泊まったということも全く知らないと思っているはずだ。
村瀬が福嶋と付き合おうが何しようが関係ないはずなのに、それでも探りを入れてしまった自分。
何だこれ…
菜月が言うようにマジで嫉妬してんのか? 俺…。