Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]
「それにしてもまさかおまえまで来るとはな」
「店長の鑑(かがみ)でしょ?」
えっへん、と胸を張る。
「自分で言うな、自分で。…つか胸張るな」
「え?」
…胸張るな?
「さっきから言おう言おう思ってたけど。
透けてるぞ――…黒とピンクのブラ」
「ふぇっ!!!?」
うそ、何で!?
慌てて胸元に視線を落とすと、オフホワイトの花柄のチュニックワンピが雨を含んで同色のインナーもろとも透け透けになっていた。
「…っきゃあああっ(*_*) ななな何でそういう大事なこと早く言わないのよっ。知ってたんなら早く言ってよっ!」
慌てて胸元を手で覆い隠し物陰に隠れる。
「だってさ、あまりにも眺めがよかったから」
「なっ…眺めって///」
何やら愉しそうに目を細めながらじりじりと間を詰めてくる福嶋くん。
これ完全に意地悪スイッチ入ってるし(>_<。)
「ひぃやぁぁあああ(->_<-) こここ来ないでよっ。ばかっ! 変態っ! 最低っ! 悪趣味!」
「相変わらず口が悪いな。ちょうど監視カメラの死角だし、悪口叩けないよう塞いでやろうか、その口」
「ふふふ塞ぐ!? っひゃっ…(>_<。)」
一瞬怯んだ隙に左右をステンレスのラックと作業机のわずかな隙間に追い込まれ、前後を壁と福嶋くんに挟まれた。
監視カメラのすぐ真下にいるあたしたちはいちおう上司と部下という関係性で店内にいるにもかかわらず必要以上に密着している。
それが何だかすごくイケナイことをしているようで、あたしの心臓の鼓動は一気に振り切ってしまった。