Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]
「…ってーなぁ! だから鈍器で殴るなっつってんだろ!?」
頭を押さえ痛みに顔を歪ませる福嶋くん。
あたしの手にはしっかりとセロテープの台が握られている。
「だっ…だって福嶋くんがああああたしのこと、そそそそういう対象で見るからじゃない///」
「そういう対象で見たら悪いっておまえ幼稚園児かよ?」
「よっ…幼稚園児って///」
「はぁ〜…もういいよ」
「ひゃっ…(>_<。)」
またしてもクルリと身体を反転させられる。
また背中にキスマークでもつけられるのかと思ったら胸に押し抱いていたTシャツを奪い取られ、ムリヤリ着させられた。
そして――…
次に首もとに何か装着される。
「…これ?」
西崎さんと食事に行った日に失くした、侑兄からもらったネックレスだ。
「悪い…ずっと返しそびれてた」
「福嶋くんの部屋に落ちてたの?」
「…いや、……実はあの日、西崎さんにおまえを送っていったところ見られてて」
「え…」
「車に戻ってきたときに渡されたんだ。村瀬に返しといてくれって」
西崎さんが……拾ってくれてたんだ。
もしかして歩道橋で突き飛ばしたときに…?
「…西崎さん、それ返すの口実にして、本当は心配して来てくれたんだと思うぞ」
「え…」
「まだちゃんと謝ってないんだろ? あの日のこと」
「……」
福嶋くんの言うとおり、あれから西崎さんとは会ってないし、電話で声も聞いていなかったからずっと謝りそびれていた。
正直、今日からの社員旅行も顔を合わせづらいなって思ってたんだ。