Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]



――ザアアアアア…



ふと窓の外に目をやる。



外は昨夜みたいなひどい雨。



22時頃まではパラついていた程度だったのにとうとう本格的に降り出したみたい。



沖縄はもうとっくに梅雨明けしてるっていうのに。



旅行に来てまで雨に降られるだなんてホントついてないな(-_-;)



「せっかくの七夕なのにこれじゃ天の川見れないね〜」



「ホントです…ね」



…ってあれ…?



「今日って七夕ですよね!? 7月7日!」



「う…うん、7月7日は七夕だけど…どしたの急に? 大きな声出しちゃって…」



「いや、あの、すっごく大事なこと忘れちゃってて…! ちょっとあたし、電話、電話してきます!」



「う…うん、行ってらっしゃい」



ハコさんはあたしの慌てように少々気圧されながら、お見送りするようにひらひらと手を振る。



あたしはそんなハコさんを背に、サイドテーブルの上に置いていた携帯を引っつかみ、慌てて部屋を飛び出した。





…ひゃあーーー、そういえば今日って七夕だったんじゃん。



あのこと、ころっと忘れてたよーー(>_<)



もう寝たかな――?



バタバタと廊下を走りながら発信ボタンを押す。



――PRRRR…



うわーーあと30分で今日が終わっちゃうし。



その前に気づいてよかったけど、何であたしってば今のタイミングで思い出すんだろう。



日付が変わってから今朝までずっと一緒にいたのに(-_-;)



――PRRRR…プツッ…



『……はぃ』



…! 出た!



ちょっと寝起きっぽい声だったけど、やっぱりもう寝てたのかな?



「もっ…もしもし福嶋くん? あの、遅くなったけど――…





今日はお誕生日おめでとう!!」





『――ぁっ……ンッ……ダメ……』



ふぇっ!!!?



何!?



何なの、今の声!?



何で女の人のいかがわしい声がするのっ!?







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