Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]





『西崎慧吾は……今も変わらず……優花を愛している――』







この部屋には建築関係の本がたくさんあった。



インテリアコーディネーターの資格と建築士の資格はセットで持っておくといいって、いつか麻由さんが言ってたけど、西崎さんも建築士の資格を取ろうとしていたんだろう。



本棚には問題集なんかもたくさんあって、必死で勉強した痕跡が残っていた。



――きっと西崎さんは、少しでも優花さんに近づきたくて、少しでも優花さんの役に立ちたくて、小早川さん以上に優花さんに相応しい人間になりたかったんだろうな。



あたしが、そう思っていたように。



西崎さんも、西崎さんなりに人知れぬ葛藤や悩みを抱えて、そうして心が折れそうになるほどの高い壁に何度も何度もぶつかっていたんだ。



――誰かを好きになるって決して楽なことじゃないんだ。



そう考えたら、あたしはまだまだ甘えているんじゃないのかな?



楽な道ばかりを探して歩いているんじゃないのかな?



想いを伝えてもいないで、ぶつかってもみないで、ひとりであれこれネガティブに考えて、ずっと逃げ続けてる。





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