Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]
『…ふぅ……っ…
…も……ぉね…がい…っ…
…もぅ…本…物の……キスを…
…ちょうだぃ……』
さっきまで咥えていた俺の指をみずから自分の胸の先端部分へと這わせて、
熱に浮かされた女はさらにもう一方の手を俺の下腹部へと這わせながら俺に唇を寄せる。
だが互いに仕掛けては来ない。
至近距離で見つめ合い、互いに焦らし合い、どちらかが我慢できなくなるまで…
『…ぁ…』
みずから触らせているくせに悦びの声をあげる女。
自分の意思でそこにあるわけじゃない俺の手をちらりと見、そこからすくい上げるように挑発的な流し目を送る。
…さっきからいろいろと扇情的なことをやってくれるが、酒に酔って正常な判断ができなくても俺のスイッチは一向に入らない。
こんな調子でホテルになんか行って大丈夫なのか俺。
きっとこの女は想像以上に愉しませてくれるだろう。
ベッドの上で思いきり発散させてくれるに違いない。
…マグロなのが分かりきってる村瀬と違って。
だけど…
それでも俺は、村瀬しか抱きたいとは思わない――。
2人の唇が触れ合う瞬間、俺はとっさに顔を背けた。
そのときだった――…。
『チッ…道路ふさぎやがって。こんなとこでイチャついてんじゃねーぞコラ!』