Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]
隼人≫≫≫帰したくない
隼人≫≫≫帰したくない
「痛゙っ…!」
何の前触れもなく突然襲った堪え難い痛みに思わず右を向くと、村瀬が俺の肩に寄りかかって眠っていた。
「…ったく」
そっと腕を引き抜いてかわりに胸に抱き寄せようと思ったら、そういえば手を繋いでいたことに気がついた。
俺の膝の上で固く繋がれている2人の手。
なぜか俺に触られても緊張しない、逆に安心するって言っていた村瀬。
――どこまでも勘違いさせるようなことしやがって。
無意識の小悪魔とかマジでタチが悪い。
だけど…
それって素直に喜んでいいんだよな?
俺だけ特別って思っていいんだよな?
それこそが俺が唯一、西崎さんに勝てる武器なんだよな?
村瀬に触れられない西崎さんより、
村瀬に触れられる俺のほうが、
たとえ想われていなくても、
――幸せなんだよな?