Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]
「――ここでいい。ここで降ろして?」
11時前。
西崎さんのマンションの近くまで来て福嶋くんに車を停めてもらった。
あのあと、福嶋くんがシャワーを浴び終えてからタクシーに乗って福嶋くんが車を停めていたコインパーキングまで行った。
昨夜は本当はお酒を飲んで代行で帰るはずだったんだけどいろいろあって柄の悪い人たちに絡まれてあんなことになったんだそうだ。
『いろいろって?』
『いろいろはいろいろに決まってんだろ』
はぐらかす福嶋くん。
『…怪しい(ーεー)』
なんか隠してると思ったけど追究しないでおいた。
福嶋くんはこれから警察に行って被害届けを出して中番で出勤するんだそうだ。
『あの時は厄介事に巻き込まれんのは面倒だからって警察から逃げたけど、
もしかしたら今晩もまた奴らの餌食になる人がいるかも知れない』
万が一にも死人を出さないためにも奴らは法的に裁かれるべきだって、福嶋くんは被害届けを出すことに決めたんだって。
そんな福嶋くんの決意にあたしも賛同した。
『そうだね。ああいう人たちが大きな顔してのさばって、何の罪もない人が因縁つけられて怪我をさせられたり万が一にも命を奪われたりしたら許せないもんね』
福嶋くんが被害届けを出すことで救われる人がいるなら絶対にそうしたほうがいい。
「じゃあまた後でな」
「うん。ありがとう。気をつけてね」
あたしは車を降りて笑顔で福嶋くんを見送った。
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