Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]
――今日の夕方。
また村瀬に妙な電話がかかってきた。
昨日と同じように三沢が電話を受けて子機を事務所に持ってきた。
『――店長さんいますか?』
犯人は客のセンが濃厚だろう。
村瀬が店長だと知ってるってことは。
それで勤務終わりに後をつけて自宅を突き止め、村瀬の留守中にピッキングで中に侵入し、金品は狙わずに下着だけを盗んで帰った。
…キメェ。マジでヘドが出るな。下着盗むヤツなんざ。女の敵だ。絶対犯人つかまえてやる!
――コンコン
そのとき助手席の窓を誰かに叩かれた。
ドアの向こうに人が立っている。
身長が高いのか胸から上は見えなかった。
…やべ、村瀬のストーカー捕まえようとしてんのに俺が職質か?
まぁ職質されて当然か、こんな時間に明らかに不審だもんな。
俺の車、フルスモークだし、おまけに中に人が乗ったままだし、周囲をうかがってるし、通報されて当然か。
…はぁ面倒くせ。
俺はため息をついて助手席の窓を開けた。
「なんだ…福嶋も心配で見張ってたのか」
「――西崎さん!?」