Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]



「…福嶋は」



「え…」



「いや…ごめん。何でもない」



西崎さんは苦笑しながら村瀬の部屋を見上げた。



「…村瀬は幸せだな。誰からも愛されて。時には妙なヤツからも愛されて(苦笑) 
自分でも不思議に思うんだけど、村瀬のことは何を犠牲にしても守ってやりたいって思うんだよな」



「西崎さん…」



「きっと村瀬の家族も含めて、村瀬の周りにいる人間はみんな無条件にそう思うんだと思う。

様々な愛情が村瀬には無条件に降り注がれる。

それは村瀬が純粋で素直な心を持ち続けているからなんだろうな」



「……」



温かい眼差しをして俺を見る西崎さん。



「…何が何でも守ってやろうな。村瀬のこと」



「………はい」



西崎さんは優しく微笑んで何を思ったのか右手を甲を上にして差し出す。



「?」



「おー」



「おー?」



きょとんとしているとぐいっと左手を引っ張られ、手の甲に西崎さんの右手が乗せられた。





…ああ、そういう意味か。





「せーの…」



西崎さんの掛け声の後で俺たちは同時に



「「おーーー!」」



そう言ってそれぞれ離した手を掲げてハイタッチした。



なんか暑苦しいようなくすぐったいような気はするけど、これはこれで恋敵って関係を一瞬取っ払った、言うなれば男同士の友情みたいに感じられて心がほんわかと温かくなった。





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