Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]
「…西崎さんってほんとたまに子供っぽいことしますよね?」
無邪気っつーか少年っぽいっつーか。
俺にはない一面だから、もしもこういう部分を村瀬は好きなのだとしたら羨ましく思う。
「福嶋は出会った頃からずっと、同世代の奴らに比べたらだいぶ大人びてたもんな。
周りを冷静に見すぎてるっていうか…。
まぁ、だからこそ副店長って仕事が完璧に務まるのかも知れないけど。
俺が10代20代前半の頃はもっと…何だろう…余裕なかったっていうか、ただ闇雲に突っ走ってたっていうか、とにかく一生懸命だったな」
「そうなんですか? なんか今の西崎さんからは想像できない」
「そうか? これでも結構人生何度も思うようにいかなくて、葛藤して、手がつけられないほど荒れたときもあったんだぞ」
「…西崎さんが?」
「…ここだけの話、おまえとほぼ変わらないことも中学高校とかなりしてきてる」
俺とほぼ変わらないって…
まさか…
西崎さんが女を取っ替え引っ替えしてたのか…?
嘘だ……信じられない。