ローリンガール
魁人の表情は暗くなった。
魁人にはどうしようも無いことだから、なんて言えばいいのか
わからないのであろう。
ココロの中で「ごめんね」と繰り返した。
口には出せなかったけど、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「そっか。・・・バイトとかするときは相談しろよっ!
変なところ行っちゃうのも嫌だろ??・・・俺も・・・
これくらいしかできないから・・・さ。」
魁人の優しさが私の心に染みて、涙となってあふれ出た。
「・・・っ。・・・有難う・・・。とっても嬉しい・・・。」
家に辿り着きたくない。・・・そんな想いが脳内を駆け巡る。
このまま、こうしていたい。家では滅多にない、落ち着いた空気と優しさ。
こういうしっとりとした時間はあっという間に過ぎてしまう。
気がつけば、家の前だった。
「・・・羽咲、無力な俺には何もできないかもしれないけど・・・。
俺は、お前を失いたくないから。・・・もう、二度と。」
魁人の眼はまっすぐで、「この世界も魁人みたいにまっすぐだったらいいのに」と
思ってしまうほどだった。
―現実ではありえないけど―
「ホント、有難う。・・・私は、魁人のこと、大切に思ってるよ。
・・・ん?・・・日本語おかしいかなぁ・・・??」
魁人は嬉しそうに笑って、
「また明日!・・・学校で!!」
と、言った後、後ろを向いて走って行った。
家に入らなければ。
いくら嫌でも・・・一番苦しいのはお母さんなんだから。
・・・勿論、見てる私も苦しいけど・・・そんなの私の・・・
一つの意見に過ぎない。
だから、お母さんが私になにか打ち明けたりとか、
愚痴をこぼしたりしないかぎり私は何もできない・・・いや、
何もしてはいけない。我慢するだけ。
「ただいま~!お父さーんいる?」
家は照明で明るく飾られ、いつもとは違う感じがした。
「・・・お父さん?」
リビングにもいないようだ。
また酒でも飲んで酔っ払って2階で寝ているのだろう。
―そう思ったとき。
トイレからお父さんが出てきた。
「羽咲、お帰り。」
「ただいまー。」
お酒の臭いがしなかった。やっぱりいつもと違う。
いつもなら酔って寝ていたり、絡んできたりするんだけど。
魁人にはどうしようも無いことだから、なんて言えばいいのか
わからないのであろう。
ココロの中で「ごめんね」と繰り返した。
口には出せなかったけど、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「そっか。・・・バイトとかするときは相談しろよっ!
変なところ行っちゃうのも嫌だろ??・・・俺も・・・
これくらいしかできないから・・・さ。」
魁人の優しさが私の心に染みて、涙となってあふれ出た。
「・・・っ。・・・有難う・・・。とっても嬉しい・・・。」
家に辿り着きたくない。・・・そんな想いが脳内を駆け巡る。
このまま、こうしていたい。家では滅多にない、落ち着いた空気と優しさ。
こういうしっとりとした時間はあっという間に過ぎてしまう。
気がつけば、家の前だった。
「・・・羽咲、無力な俺には何もできないかもしれないけど・・・。
俺は、お前を失いたくないから。・・・もう、二度と。」
魁人の眼はまっすぐで、「この世界も魁人みたいにまっすぐだったらいいのに」と
思ってしまうほどだった。
―現実ではありえないけど―
「ホント、有難う。・・・私は、魁人のこと、大切に思ってるよ。
・・・ん?・・・日本語おかしいかなぁ・・・??」
魁人は嬉しそうに笑って、
「また明日!・・・学校で!!」
と、言った後、後ろを向いて走って行った。
家に入らなければ。
いくら嫌でも・・・一番苦しいのはお母さんなんだから。
・・・勿論、見てる私も苦しいけど・・・そんなの私の・・・
一つの意見に過ぎない。
だから、お母さんが私になにか打ち明けたりとか、
愚痴をこぼしたりしないかぎり私は何もできない・・・いや、
何もしてはいけない。我慢するだけ。
「ただいま~!お父さーんいる?」
家は照明で明るく飾られ、いつもとは違う感じがした。
「・・・お父さん?」
リビングにもいないようだ。
また酒でも飲んで酔っ払って2階で寝ているのだろう。
―そう思ったとき。
トイレからお父さんが出てきた。
「羽咲、お帰り。」
「ただいまー。」
お酒の臭いがしなかった。やっぱりいつもと違う。
いつもなら酔って寝ていたり、絡んできたりするんだけど。