死を塗り替える者
「…」
「…ディアボロ様?」
「ん、あぁ…」
「…慣れませんか、まだ。」
「いや、そういう訳じゃない。」
俺は今日初めて人を殺した。
そう、「俺は」。
冥王には基本的に寿命が無い。
にも関わらず俺の馬鹿親父が俺に仕事を丸投げして死んだのは「飽きた」から。
肉体ではなく精神が死ぬのだ。如何に不死であっても。
親父も、叔父も、前の世代から全ての記憶を受け継いで冥王をやってきた。
だから今日の仕事も慣れていると言えば慣れている。
…でも正直慣れていないのかもしれない。
「良く分からないね、心というのは。」
「ディアボロ様臭いです。」
「えぇ…」
間髪置かずに放たれた言葉の矢は、寸分違わず俺の心を射抜いていった。
(…記憶とかは継いでも、俺は俺という個、なんだけど…。)
何だかたまにこう思う。
他人の記憶を持った自分は一体誰なのか、と。
「…ディアボロ様?」
「ん、あぁ…」
「…慣れませんか、まだ。」
「いや、そういう訳じゃない。」
俺は今日初めて人を殺した。
そう、「俺は」。
冥王には基本的に寿命が無い。
にも関わらず俺の馬鹿親父が俺に仕事を丸投げして死んだのは「飽きた」から。
肉体ではなく精神が死ぬのだ。如何に不死であっても。
親父も、叔父も、前の世代から全ての記憶を受け継いで冥王をやってきた。
だから今日の仕事も慣れていると言えば慣れている。
…でも正直慣れていないのかもしれない。
「良く分からないね、心というのは。」
「ディアボロ様臭いです。」
「えぇ…」
間髪置かずに放たれた言葉の矢は、寸分違わず俺の心を射抜いていった。
(…記憶とかは継いでも、俺は俺という個、なんだけど…。)
何だかたまにこう思う。
他人の記憶を持った自分は一体誰なのか、と。