強気なミオと優しいオミ
やばー…


台詞忘れた!?


「愛しいジュリエット、口づけを!!」


オミが小声で囁いた。


そうだ!


いつもこの前でつまずいてたから、このシーンやってなかったんだ!!


また『愛しい』なのー!?


私は頭が真っ白…


「愛しいロミオ…
私に誓いの口づけを…」


オミ、ナイスフォロー♪


ブーツの分背が高い私に、オミは少し背伸びをして顔を近付けた。


「目!!」


オミが小声で言った。


あっ、閉じろって?


フリなんだから良いのに…


でも私は目を閉じた。


少しずつ顔が近付く。


…えっ?


思わず目を開けてしまった。


観客からは死角だからフリだけのはずなのに…


オミと本当にキスしてる…
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