強気なミオと優しいオミ
セット転換の音楽が流れて舞台が暗くなった。


皆バタバタとセットを動かしている。


オミは私から離れると、舞台袖に向かって走った。


「ミオー!?」


あっ、私も行かなきゃ…


えっ…?


今のは…!?


私は呆然としたままでその後も劇を続けた。


クラスメートは誰も気づいてないみたい…


私とオミが本当にキスした事…


その後はあまり記憶にないけど、劇は無事終了したみたい。


拍手が鳴り止まなくて、私とオミで改めて挨拶をした。


オミは平然と笑って挨拶している。


私はぼーっとしたまま、オミの隣に立っていた。


友達や先輩が私の名前を呼びながら拍手をしてくれてたけど、私の耳にはほとんど届いていなかった。
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