強気なミオと優しいオミ
文化祭一日目はなんとか終了した。


明日もう一回劇をやれば、ロミオじゃなくなる…


私は衣装を着替えると、そのまま屋上に向かった。


明日の用意をしなくちゃいけなかったけど、バレない様に上手く抜け出した。


…キスされたよね?


あれは何だったの?


偶然当たっちゃっただけ?


オミは何も気にしてないの??


「あぁ…頭ぐちゃぐちゃ…」


私は手摺りにもたれながら校庭を眺めていた。


「ミオ。」


呼ばれて振り返ると、オミが立っていた。


「…オミ…」


どうしよう…


何を話したら良いの!?


「…とりあえず、一日目お疲れ。」


オミは私の前に立つとジュースを差し出した。


「…あ、ありがと。」


私は受けとったものの、飲めずに抱えた。


「皆片付けしてるよ?」


「そ、そうだね♪
そろそろ行かなきゃ蜜柑がうるさいもんね!!」


私はその場から逃げるように歩きだした。
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