強気なミオと優しいオミ
体育館に移動するまでもすれ違う生徒に声を掛けられて、オミと話せず…(T-T)


そのあとバタバタと準備してたから時間がなかったし。


だからオミとこの日初めて二人きりになれたのは、舞台の上でだった。



「ロミオ…私は…貴方なしでは生きて行けない…!」


オミと真っ直ぐ見つめ合った。


「ジュリエット…僕もさ。
愛しいジュリエットなしでは生きて行けない…。」


今度はちゃんと私からジュリエットを抱きしめた。


「愛しいジュリエット…
二人の愛に、誓いの口づけを…」


今日のオミはキスをしてくる気配がない。


劇に忠実に、少し背伸びをしただけだった。


だから…


今日は私が少し屈んでキスをした。


離れた時、オミは目を真ん丸るくしていた。


私だって昨日はそうだったんだから、これでおあいこでしょ♪


私は満足げに微笑むと、オミの耳に口を近付けた。


「この後、屋上で待ってるから…」


私はそう囁くと、舞台袖に向かって走った。
< 137 / 201 >

この作品をシェア

pagetop