強気なミオと優しいオミ
可愛くない…


「昔はもっと可愛かったのに…」


私は困ったように笑った。


「ミオも昔はもっとカッコよかったのに?」


オミがからかうように笑った。


誰だろう…


オミを最初に『お姫様』なんて言ったの。


オミは充分『王子様』だよ…


なんだか少し悔しくて、オミの背中に軽くパンチした。


オミは驚いたように目を見開いてから、困ったように微笑んだ。


「そろそろ閉めるから…
帰りにどこか寄っていこうか?」


オミはカウンターに戻ると、そう言いながら片付け始めた。


立派な王子様になったものだ。


いつからこんな風に飄々と対応するようになったんだっけ。
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