強気なミオと優しいオミ
「蜜柑、ありがと。」


私が言うと、蜜柑は少し恥ずかしそうに笑いながら扉を閉めた。


蜜柑は一年の時にリオ先輩に強引に誘われて入った生徒会で、当時副会長だった先輩と羽陽曲折の後に付き合い始めた。


先輩と同じ大学に行って『先輩に、成長した私の姿を見せ付けるのが目標よ』と、今からかなり張り切っている。


「俺達も帰るか。」


「うん。
…心配かけてごめんね?」


オミは優しく微笑むと、私の鞄を持ってくれた。


「先生、ありがとうございました。」


「気をつけて帰るのよ?」


「はーい♪」


私達も保健室を後にした。


「あんまり無茶しないでよ?
本当に心臓が止まるかと思ったんだから…」


オミは私の手を握りながら、困ったように笑った。


「ごめんね。
つい油断しちゃった…」


すごく心配かけたんだろうな…


オミの手、冷たい。


「まぁ無事だったし…
次は気をつけてください。」


「はい!」
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