強気なミオと優しいオミ
「うん…」


私は視線を落とした。


「何?
告白しないつもり?」


「違うの…
そうじゃないけど…」


ミオちゃんとオミ君を見ていたら、羨ましいなと正直思った。


でも反対に、あんな風にはなれないなとも思った。


だから元々無かった自信が、輪をかけて無くなってしまった。


「…まぁ、時間はたっぷりあるんだからさ。
焦らずに、早苗のペースでやりなよ?」


「うん…
ありがとう、蜜柑。」


私がそう言うと、蜜柑は少し恥ずかしそうに笑った。


時間はたっぷりある。


確かにその通りだ。


だから、ゆっくりやればいい。


そう思えたら幸せなのに…
< 165 / 201 >

この作品をシェア

pagetop