強気なミオと優しいオミ
徹君は10分もしない内に戻ってきた。


「徹、どうだったんだ♪」


徹君と仲が良い男子が、徹君を取り囲んだ。


その中にはオミ君の姿もあった。


そういうのに興味がなさそうだったから、少し意外だった。


徹君達の話は、私の所までは聞こえて来ない。


私はあえて気にしないフリをした。


「早苗ちゃん。」


「オミ君、どうしたの?」


「徹、断ったって。」


「えっ?」


オミ君は私のために、あの輪の中にいたのだ。


「…ありがとう、オミ君。」


「さすがオミ!
ありがと♪」


ミオちゃんは自分の事のように喜んでいた。


オミ君は少し恥ずかしそうに微笑んだ。
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