強気なミオと優しいオミ
「どうしたの?」


皆、校庭にある一番木を見上げている。


「ボールが引っ掛かったのよ。
だから…取って♪」


バスケ部の部長は同じクラスの小林蜜柑。


蜜柑は私の親友。


だから私がオミと居ても平気で邪魔をして来る。


「登れば良いじゃん?」


これくらいの木なら楽勝だろう。


「ミオじゃないんだから無理だよ!」


蜜柑は逆ギレしながら、ダンダンと地面を蹴った。


「わかったわよ!
取れば良いんでしょ!?」


私は鞄をオミに渡した。


周りにいる子達はキャアキャアとはしゃいでいる。


「ミオ、無理しないでよ?」


オミが心配そうに私を見た。


「大丈夫♪
オミは心配性だなぁ♪」


私は心配されたのが嬉しくて、オミの頭をくしゃくしゃと撫でた。
< 17 / 201 >

この作品をシェア

pagetop