強気なミオと優しいオミ
私はこの時、完全にこの人に惚れてしまったんだと思う。


こんな人に必要とされる自分も悪くない、なんて思えた。


「…私なんかで良ければ、よろしくお願いします。」


私は引き受ける事にした。


リオ先輩が必要だという私になってみたいと思った。


「ありがとう、蜜柑ちゃん♪」


リオ先輩は満足そうに微笑んだ。




今思えばこれが全ての始まりだったのだ。


「蜜柑ちゃん、3Aから資料が届いてないわよ?」


「すぐに貰ってきます!」


リオ先輩はまるで鬼の様に、私に仕事を与えた。


バスケ部を優先して良いと言われたものの、その後に生徒会の仕事をするのは辛かった。


だから朝早く学校に行って、仕事をするようになった。


それでも涌き水の様に溢れる生徒会業務は、全く終わりが見えなくて大変だと改めて思い知った。
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