強気なミオと優しいオミ
「どうして?」


真辺先輩がニッコリと微笑んだ。


「いえ、別に…
それより、近くないですか?」


二人きりの生徒会室なのに、異常なくらいくっついている私達。


誰か入ってきたら、絶対に不自然に思われる。


「そう?
好きな子の側にいたいじゃない?」


そう言って、真辺先輩は笑った。


「…一年半かけるんじゃなかったんですか?」


「かけるよ?
でも…俺、チャンスは逃さないタイプなんだ♪」


二人きりになるなんて珍しいからさ、と嬉しそうな目が語っている。


正直、私は相当グラグラしていた。


リオ先輩がいない生徒会室で、真辺先輩が近くにいる。


真辺先輩は魅力的な人だった。


自分の気持ちに正直になれば、真辺先輩に惹かれている自分と出会う。


けれど、それで良いの?と問い掛ける自分もいる。


たった一年の差なのに、私と真辺先輩とは違いすぎる。
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