強気なミオと優しいオミ
女の子達は大騒ぎで、私の話なんか聞きそうもない。


まぁ無理もないか…


まさか私が一年の廊下に現れるとは思わなかったんだろうし。


「でなきゃこんなの堂々と見ないか…」


私は紙を見つめながら苦笑いを浮かべた。


「これって、先輩が一年の時に出回ったんですよね♪」


「すごいですよね!?
ミオ先輩は一年の時から王子様なんですね♪」


女の子達はキラキラと目を輝かせている。


「まぁねー♪」


女の子達にのせられて、私は思わず決めポーズを取ってしまった。


変わらないなぁ…この性格(笑)


「ミーオー!?」


はるか遠くの廊下から私を呼ぶ声が聞こえた。


しまった!


待ち合わせしてるんだった!


「ごめんね、行かなきゃ。
あっ、これ返す♪
あんまり見ないでね?
恥ずかしいからさ♪」


紙を渡すと、近くにいた子にそっと近づいた。
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