強気なミオと優しいオミ
「ミオちゃーん!!」


下駄箱で呼び止められた。


「あっ、先輩。」


さっき垂直跳びを計ってくれた、バレー部の部長だった。


「ミオちゃん、入部の件考えておいてね?
お願いよ!?」


さっき死ぬほど勧誘されたのに、更に念押しされるとは…


「は、はい…
考えておきますから…」


私は愛想笑いを浮かべながら、逃げるように靴を履き変えた。


「じゃあ先輩、また♪」


私は蜜柑達を急かしながら下駄箱を出た。


「良い返事待ってるからねー!?」


先輩の叫び声が下駄箱に響いた。


「すごいね…」


オミは唖然としながら下駄箱を振り返った。


「見ちゃだめ!!」


私はオミの肩を掴むと、後ろから押しながら歩いた。
< 47 / 201 >

この作品をシェア

pagetop