強気なミオと優しいオミ
私達が騒げば騒ぐほど、周りは楽しそうに笑った。


「大体『ロミオとジュリエット』って悲劇でしょ!?
断固反対!!」


「そんなの台本変えれば問題ないね♪」


私が何を言っても、徹は聞き入れる様子を見せない。


「もう諦めたら?
このままいけば多数決になるだろうけど、変更されることはないわよ?
だって2対全員よ?」


蜜柑が呆れて笑った。


…確かに。


「でもー…」


私はそれでも文句を言おうとしたが、蜜柑に制止された。


「諦めなさい?」


蜜柑の横で、早苗も頷いている。


「…何で俺がジュリエット…」


オミは呆然と繰り返している。


「私だってロミオなんて嫌だよ!?」


「ロミオは良いだろ?
男なんだから…」


「私は女!!」


机に突っ伏して落ち込んでいるオミに、『文化祭要項』と書かれたプリントを、丸めて投げつけた。


オミは落ち込みすぎて無反応。


はぁ…


私も落ち込む…
< 58 / 201 >

この作品をシェア

pagetop