強気なミオと優しいオミ
女生徒は不満顔で図書館を出て行った。


「…臣、相変わらずだなぁ。」


呆れ顔で言うと、返却本をカウンターにドサッと置いた。


「うるさいよ…」


「優しいんだか冷たいんだか、はっきりしろよなぁ?」


「別に元々優しくないから良いんだよ。」


俺が言うと、ブーブーと文句を言いながらカウンターに入り椅子に座った。


「なんだよ…
人がせっかく良いもの持ってきてやったのに…」


そう言いながら、ゴソゴソと鞄の中を探っている。


「…どうせ余計なもん持ってきたんだろ?」


俺が言うと、ニヤリと笑った。


「そんなこと言っちゃうと見せないぞー♪」


ふふんと鼻歌混じりで鞄に手を突っ込んでいるのは、羽柴徹。


徹とは幼なじみで、同じ図書委員でもある。


だから徹の性格は良く分かってる。


徹がニヤニヤ笑うときは、大抵どうでもいい事しか言わない。


「…はいはい。」
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