強気なミオと優しいオミ
「遅くなっちゃった♪
姉ちゃん、乗せてって。」


露木は言いながら、自転車の荷台に飛び乗った。


「あんまり遅くなっちゃダメだよ?」


私は自転車を漕ぎながら言った。


「はーい♪」


返事だけは良いんだから…


「姉ちゃん、何か良いことあった?」


「なんで?」


「なんか嬉しそうだから♪」


ついつい顔が綻ぶ。


「もうすぐ夏休みだからかな♪」


「なんだぁ…
てっきり彼氏でも出来たのかなと思ったよ。」


「…馬鹿!」


ハンドルを握らなきゃいけないのがもどかしい。


手が自由なら、後ろのうるさい弟を殴れたのに…


「早く彼氏見つけろよなぁ?」


私が反撃しないのを良いことに、露木は言いたい放題だ。
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