強気なミオと優しいオミ
「ミオ、皆に見られてるよ?」


鞄を肩から下げたオミが、苦笑いを浮かべながら言った。


「あれ?
オミ帰るの?」


「うん。
別に予定もないし。」


「じゃあ一緒に行く?」


私が誘うと、私に抱きしめられたままの早苗が慌てて首を振った。


「…今日は帰るよ。」


その様子を見たオミが、微笑みながら言った。


「ごめんね、オミ君…」


私の腕から出た早苗が、申し訳なさそうに言った。


「大丈夫。
じゃあまた明日ね?」


オミはそう言うと、笑顔で教室を出て行った。


「ごめん、私が誘っちゃったから…」


「ううん。
オミ君もいても良かったんだけど…
何だか恥ずかしくて…」


早苗は柔らかく微笑んだ。
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