秘密の鎖
「あやかの、トコ」
「あやか?」
私の口からあっさり名前が出て、
夕月さんは不意をつかれたような顔をしている。
「あやかと、明日も一緒に遊ぶの」
嘘じゃない。
嘘じゃないよね。
ちょっと発音変えちゃったけど。
あいつが女の子の名前っぽい苗字でよかった…!
「なんだ、よかった」
夕月さんはいつもみたいににこっと笑った。
胸がチクン、と痛む。
手を伸ばして私の頭をくしゃくしゃ掻きまわし始めた。
「悪い奴に引っかかってたらどーしよーと思ってたよ」
(…ごめんなさい、引っかかってます!)