秘密の鎖
優也はつまらなそうに口をとがらせている。
愛人、とか。
一体いつの間にそんな言葉を覚えたんだろう。
あー、そういえばサスペンスドラマとか好きだし、それでかな。
なんて思っていると、すーすーとかわいらしい寝息が聞こえてきた。
どうやら眠ったようだ。
私は優也の、まだ丸みのあるほっぺたを軽くつっついた。
―――私を預かるって、どういうことだろ。
お母さんは承諾しちゃう?
…まさかね。
仏間を覗きに行きたい気持ちを抑えて、寝室の電気を消し、布団を深く被って眠りについた。