秘密の鎖

目覚まし時計の音で、目が覚めた。

そっか、昨日は優也の部屋で寝たんだっけ。

まだ眠っていたい気持ちを引きずって体を起こすと、
優也も目を覚ましたようで、むくりと起きあがった。


「お姉ちゃんおはよう。あれ、ここで寝てたの」


優也は眠たそうに目をこすっている。


「うん。私の部屋、仏間の隣だからさぁ」


ちょっとね、と言うと、ふうんと言ってベッドからおりた。

私も布団をすばやくたたんで、優也と一緒にキッチンに向かった。


キッチンでは、
お母さんが目玉焼きを焼いていた。

おいしそうなベーコンの匂いに、お腹がグゥッとなった。


「お母さん、おはよう」

「ああ、おはよう」


お母さんは振り向き、目玉焼きをフライパンからお皿に移した。

優也がパンを焼こうとしていたので、私は冷蔵庫からコーヒー牛乳を取り出した。

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