秘密の鎖

「ただいまー」


「夕月さんっ!!」


夕月さんがバイトから帰ってくるなり、私は夕月さんに詰めよった。


「何?犬みたいだねー、よーしよしよし」


夕月さんは片手で私の頭をぐしゃぐしゃやりながら、ネクタイに指をひっかけて外している。



わっ、カッコイ……

じゃなくて!


「聞きたいことがあるんですけど!」


夕月さんの手を振り払い、ずいっと近づいた。


夕月さんは私の予想外の剣幕にぽかんとしている。


私はそんな夕月さんの腕を引っ張ってテレビの前に座らせ、そして予め準備していた莉沙から借りてきたビデオを再生。


「これ!これどういうこと!?」


「?」


夕月さんはハテナマークを浮かべてテレビ画面を見たが、コマーシャルに気づいてはっとした顔をした。

そしてにやりとして私を見る。


「やっと気づいたんだ?」


「え?」


今度は私がぽかんとする番だ。

夕月さんは楽しそうに笑う。



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