秘密の鎖

夕月さんは一瞬きょとんとしてから、ぷっと吹き出した。


「何?それ、心配してるの?」


私は笑われたことにむぅっとしながら首をブンブン横に振った。


「違う、違うから!心配なんかしてない!ただ、そのっ、興味があって……!」


「あー、はいはい、わかったよ、わかったわかった」


わかった、ってそう何回も言わなくても!

ていうかほんとにわかったの??


なんとなく悔しい私はつんっとそっぽを向く。

夕月さんはそれを見てさらに笑った。


私はピンとあることを思いつき、打って変わって勝ち気な表情で夕月さんに向き直った。


ふふふ、困らせてやろう。


「私、決めました」


「うん?」


夕月さんは笑うのをちょっとやめて、私の方に視線を向けた。

私は腰に手を当てる。


「私、夕月さんの塾に通う。止めたってダメだから」


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