秘密の鎖
「あ、の~、すいません、通し……」
「割りこまないでよ!新入り!」
キッと気の強そうな女の子に睨みつけられ、私のちっぽけな勇気はひゅるひゅると縮こまっていく。
「ゴメンナサイ」
泣きそうになりながら、莉沙に無理だよ~とアイコンタクトを取ると、早く行けと返ってきた。
人使いの荒いヤツ…!
私はもう一度前を向き、すーっと深呼吸してからまた夕月さんのところへ行こうとした。
「夕月さ…」
「邪魔!」
ドンッと押され、私は床に倒れてお尻を強打した。
「美緒!」
莉沙が慌てて駆け寄ってきて、大丈夫!?と私の肩を支える。
ああ、痛い。
お尻がジンジンする。
何でこんな目に合うの?
私、何も悪いことしてないのに……
全ては……
全ては……
夕月さんが素敵すぎるせいよ―――!!
プツンと私の中で何かが切れた。
「美緒!?」
驚く莉沙をよそに勢いよく立ち上がり、机の上に飛び乗った。
仁王立ちで教卓を前に立ち……