秘密の鎖
眉を下げて申し訳なさそうに謝ってくるその子に、平手が飛んでくるかと身構えていた私は驚いて顔をあげた。
え?え?
なんで??
ぱちくりと瞬きをする私に、女の子は続けた。
「宮島先生の妹なんだってね。それならそうと言ってくれればいいのに。一緒に帰るのなんて当たり前よね、ごめんなさい」
「え…、はぁ…」
ぺこりと頭を下げる彼女に、私もつられて下げる。
って、あれ?
「妹?」
おかしい。
妹だなんて私一言も言ってない。
「誰に聞いたの?」
私がきょとんとしていると、彼女は首を傾げた。
「宮島先生がそう言ってた」
「え」
後ろから綾香の舌打ちが聞こえた。
「ごめんね、苗字も違うしまさか妹だとは思わなくて。じゃ、これからは仲良くしてね」
きゅ、と手を握られ、私がぽかんとしている間に彼女はまた女の子たちを従えて自分の席に戻っていった。
「すごい変わりようだね。妹とわかった途端これだよ、下心見え見えだ」
ごめん莉沙、ほんとは妹じゃないの。
「ちっ、あのままイジメられてれば慰めるふりして寝取れると思ったのに」
あんたは何ってこと言ってんのよ!