秘密の鎖
「うわあ、甘そう」
「甘いほうが好きですから~」
へへへと笑いながらくるくるスプーンでかき混ぜた。
私、
家に返されちゃうんだ
いつも通りに振る舞っていても、そのことばかりが私の頭の中で何度も何度もリピートした。
夕月さんと……、
夕月さんの近くに
いられなくなっちゃうんだ……
夕月さんが私のケーキを見て何か言った。
たぶん、大きいなとかなんとか言ったんだ。
私もそれに何か返した。
何て返したかはよくわからないけど。
私、笑えてるかな。