秘密の鎖

その笑顔、反則――――――!!!



鼻血でそ~っ



じゃなくてなくてなくて!


わ、私のため!?



カ―――ッと勢いよく顔が熱くなるのは、猛暑のせいですって言い訳したい。


「じゃ、帰りますか」


動かなくなった私の手を引き、マンションにむかって歩き始める。


私はそれにヨロヨロと危なっかしくついていきながら、夕月さんの背中を見上げた。




あーあ、やっぱり

ほら


こんなに好き。




こうして手を繋いでるのは、
《妹役》だから許されること。


それが切なくもあり、嬉しくもある。



今だけ許されること。



繋がれた手にちょっとだけ、力を込めた。







離れたくないよ……。






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