秘密の鎖

莉沙が小包装されたお煎餅をバキバキ砕きながら、じとっとした目を向けてきた。


「なんか余計なこと考えてるみたいだけど、自分の気持ちはどうするの?他の人の応援ばっかりして、後押ししといて、自分はもういいっていうの?」


「え、う……うう」


「バカバカバカバカ」


「そんな~ぁ…」


だって勝ち目ないでしょ!?

あのららさんだよららさん、しかも幼なじみときたよ!

勝ち目ない!



砕いたお煎餅をボリボリ食べながら、莉沙はソファに偉そうにふんぞり返っている。

私の様子をじろじろと観察している、かと思えば、いきなり私の湯のみをサッと取り上げた。


「美緒、今すぐ帰れ」


「は!?」


「いいから帰りなさい」


「なんでーっ?」


無理無理無理!

気まずいってば!


何かいい感じだったりしたら居場所ないって!


「好きなんでしょ?奪い取ってきなよ。ライバルを応援するようなまね、しちゃダメだって!」


莉沙にぐいぐいと玄関まで押しやられながら、確かにそうだけれども、と莉沙を振り返る。






……あ。





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