秘密の鎖
「大丈夫!私は夕月さんのことだけが好きだもん」
そう言って飛びつくと、そのまま夕月さんの胸に顔を押しあてた。
夕月さんも私の体に手をまわし、そっと抱き込んだ。
「…私待ってるから。夕月さんが帰ってくるの」
「うん」
「ずっと待ってる」
「…うん」
会えなくなるのは
さみしいけど
でもまたいつか一緒にいられる日が来るというのなら
私は何年だって待ち続けていられるよ…
そっと離れて夕月さんを見上げると、目が合って微笑みあった。
大好き。
「また、ご飯食べに帰ってくるよ」
「浮気しなかったらね」
「しないって」
ひまわりが風に揺れてサァッと音をたてた。
暑い日差しは帽子の上からでも感じるくらいで、まだ夏なんだと噛みしめた。
忘れられない夏。
今までで一番の夏。
どうかあなたも
忘れないでね