秘密の鎖
恨めしげに睨みつけていると、莉沙は綾香から離れて私の隣にやってきた。

そしてぽん、と私の肩に手を置く。


「残念だけどねぇ綾香くん。美緒は夕月さんしか見えてないの。こんなやつ諦めて私にしなよ」


ね、とそこで私を振り返った。


莉沙………



あんた………


「ほらーっ、早くしないと授業始まるよ。戻ろ戻ろっ」


「じゃ、最後の人ジュースおごりね。よーいどん」


「は?ってちょ、ちょっと待ってよー!」



いきなりそんな提案をして、いきなりスタートを切られたから出遅れた。


あわてて二人を追いかける。









ありがとう。








「卑怯者ー!」




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