秘密の鎖

甘い鎖






――あれから3年。




私はバイトをしながら大学に通ってる。

胸もちょっとだけ大きくなって、ちょっとだけ色気が出たんじゃないかと思ってるんだけど。


お母さんは仕事を始めて、帰りが少し遅い。

だから晩ご飯をつくるのは私の役目。


今も焼き魚定食(的なもの)を作ってる最中。

前より上達したと思う。


「何か手伝おうか」


優也が台所に顔を出し、ありがたいことを言ってくれた。


「じゃ、タマネギ切って」


「タマネギだけは嫌」


そんなことを言いながらも、ちゃんとタマネギを切ってくれている。

優也はたまに、ほんとごくたまにだけど手伝ってくれる。

優也は中学にあがってから急に背が伸びて私を追いこしてしまった。


生意気にもこの間はカノジョとかいう女の子を家に連れてきて、私は危うく包丁で指を切るとこだった。



なんか……

モテるらしい。


『美緒も早く彼氏つくりなよ』


とか言われてしまった。

しかも呼び捨てになってるし!


むかつく~っ!


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