秘密の鎖

―――――――
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「着いたよ」


はっとして目を開けた。


どうやら私はいつの間にか寝ちゃってたらしい。


開かれたドアからのそのそと降りた。

目の前にはキレイで大きなマンション。


ぽけっとしていると夕月さんはスタスタと先に歩いて行ってしまったので、私はあわてて後を追いかけた。


夕月さんがカードを装置に通すと、機械音が鳴ってガラスの扉が開いた。

エレベーターに乗ると、最上階のボタンを押した。

エレベーターはぐんぐんと上っていく。


窓から見える景色が、まるで観覧車に乗ったときのように小さくなっていく。


私がそれに見入っているうちにどうやら着いたみたいだ。

夕月さんはさっさとエレベーターを降りて、絨毯の床を歩いて行った。



絨毯って…ここ、ホテルじゃないよね?

なんか見るからに高級そうな…



キョロキョロしながら夕月さんの後ろについていくと、しばらくしてある部屋の前で止まった。


「ここだよ」


…最上階の、一番端の部屋。
他の部屋にはない広いベランダが、ここからでも見える。

私はごくりと唾を飲んだ。



夕月さんって…
お、お金持ちなの??


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