秘密の鎖
「え?」
こころさんの言葉に驚いたのは私だった。
夕月さんとは
父親も母親も違う?
どういうこと?
私の様子を見て、こころさんはおろおろと慌てだした。
「やだ、何も話してなかったの?」
そんなこころさんに、夕月さんは腕を組んで答える。
「話そうとしたら、姉さんが来たんだよ」
私はさっき夕月さんが何か言おうとしていたのを思い出した。
『俺とビィは…』
あれは、ほんとは異母兄妹じゃないって言おうとしたのかもしれない。
「ちゃんと話してあげたほうがいいわ」
こころさんが夕月さんの腕を掴む。
「わかってる」
夕月さんは未だ壁にはりついたままの私に視線を向けた。
「…ビィ、こっちにおいで」