秘密の鎖

私が泣きやんでしばらくしてから、こころさんは帰っていった。


「いじめちゃだめよ」


って、夕月さんに念を押して。

夕月さんがさあね、と言ったので
ドアを閉めながら鋭い視線を投げかけていたけど。



…こころさんが帰ってしまったおかげで、
夕月さんと2人きりになってしまった。


今までは異母兄妹だとばっかり思ってたから特別なんとも思ってなかったけど…



まさかそうじゃないなんて!



急に緊張しちゃう自分を叱咤する。



夕月さんと私は歳が離れてるんだから大丈夫。

きっと夕月さんも私のことなんかなんとも思ってない。


コドモだと思ってる。

変なカンケーになんか、絶対なったりしない。


絶対大丈夫。


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